Thursday, May 24, 2007

今年の夏は.../This summer I hear the drumming.

今年の夏(北半球)は、緊迫した状況になりそうです。アブラに頼る現代文明はこれまでになく流動的ですが、そんな状態をグラフで簡単に把握できるオイル・ウォッチ・マンスリーがRembrandt Koppelaar(ASPOオランダ)の手で発行されました。
これから毎月月刊で出るそうですが、今月号を見ると石油社会はもう、崖っぷちですね。

アメリカの原油備蓄は戦略備蓄(SPR)の7億バレル以外に3億3千万バレル以上と例年並みですが、なぜか、ガソリンが足りない。いわゆる「ドライブの季節」を前に、4月末のガソリン備蓄はここ50年間で最低の1億9千3百万バレル。価格は1981年の最高値を26年ぶりに更新しています。

メキシコ湾にハリケーンがひとつきただけで,世界中がぐらぐらになりそうな、紙一重のすれすれ状態です。

石油会社が不当にもうけているのではないかという疑惑もありますが、製油施設はフル回転しているのに追いつかないのだそうです。精製されたガソリンを輸入していますが、それでも需要に追いつかない。

製油施設をフル稼働してもガソリンの生産が追いつかないのは、原油の質が変化してきたからではないでしょうか。ガソリンなどの用途にあまり手間や時間をかけずに精製できる、甘くて軽いアブラが減り、精製に手間も暇も金もよけいにかかる酸っぱくて重たいアブラが多くなっているからではないでしょうか。

アメリカにおけるガソリン価格の高騰に連動するように、小康状態だったアブラの価格もじりじりと上昇しています。その一方、世界の原油生産は、EIAによれば2月の生産は日産7千3百万バレル。2005年の12月の史上最高生産を77万バレル下回っています。

というわけで、まだ5月だというのに、メキシコ湾のお天気が気にかかって仕方がありません。アブラまみれの便利で快適な暮らし、石油文明は今年の夏を乗り切れるのでしょうか。ハリケーンがひとつかふたつ、やってくるだけで簡単にぶっ飛んでしまうかもしれません。明日も明後日もいまと同じ快適な暮らしが続けられるかどうか、それはお天気しだいであり、それなりの覚悟をしておいた方がいいでしょう

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